「繊細さん」から学ぶ自分、人間関係のあり方
さて今回は書店でよく見かけていたこちらの本。
HSP(エイチ・エス・ピー、「Highly Sensitive Person」(ハイリー・センシティブ・パーソン)の頭文字から)と言われる人を
著者の武田友紀さんは「繊細さん」と呼び、
自身の体験、600人の「繊細さん」のカウンセリング経験から本作を書かれております。
ただ一言、まず申し上げたいのが、
感覚が違う人との付き合い方は、「繊細さん」であるかどうかに関わらず、大事だということ。
「繊細さん」の存在を知っていただきたいと同時に、
『感覚が違う人と、どう付き合っていくのか』を分かりやすく説明いただいてるので、
繊細さんじゃない人にもオススメの本です!
もしかしたら、あなたも?「繊細さん」ってどんな人?
HSPってどんな人?病気?なのかな…?
一般的には、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」で、
環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、即生まれ持った性質のことを指します。
統計的には人口の15%~20%。5人に1人があてはまるんですが、
HSPの特性は共感を得ることが難しく、HSPでない人たちとの差に自己嫌悪を感じることや、
まわりに合わせようと無理をして生きづらさを感じやすくなる性質といえます。
一見では、わからない。自分でも気づいてない方もいるのかも…。
でも、”無理をして生きづらさを感じてる人”って「繊細さん」じゃなくても結構いると思いませんか?
🔽HSPの自己チェックをしてみたい方はこちら
【感覚の違いを知ろう1】「繊細さん」の感覚にも特徴がある
では、世の中「繊細さん」、「非繊細さん」で分かれるのかと言われると、
当然そんな単純ではありませんよね(^^;)
「繊細さん」の中でも鋭い感覚は、人それぞれ。
- 視覚(目)
- 聴覚(耳)
- 嗅覚(鼻)
- 触覚(肌) など
「繊細さん」だからといって、全てが敏感過ぎるわけでもなく、不快に感じる内容も違います。
ところで、「HSP」や「鋭い感覚」と言われると負のイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、
その鋭い感覚は悪い方だけでなく、良い方にもはたらくということ。
例えば、聴覚が鋭い人なら、騒音や機械音で他人より不快に感じることがあれば、
音楽や自然の音から、他人よりも幸福を感じることができるということ。
鋭い感覚で不幸を感じることが多いと、「気にしすぎるな!」と感覚をシャットアウトしてしまう傾向が多いそうですが、
著者の武田さんは、そうではなく自分の感覚を肯定することが大事と書かれています。
”鋭い感覚”は他人より幸せを感じることができる素敵なこと。
この認識を持つだけでも、ガラっと見方が変わりますね。
この”感覚の違い”は当然、「繊細さん」じゃない人にも当てはまる考え方ですよね。
自分の鋭い感覚(=幸福を感じやすい感覚)を知ることで、幸福感を上げていけるなら
”自分の感覚”、”好き嫌い”、知っていった方がいいですよねv(^^)
(ちなみに私は聴覚、視覚が敏感なタイプかな)
【感覚の違いを知ろう2】”感覚が理解できない”と知ること
さて”感覚の違い”が「繊細さん」問わずあることを理解した上で、さらに一歩深めます。
あなたは「自分をわかってもらえてない」と感じたことはありますか?
個人差はあるかとは思いますが、少なからずそういった経験をした方もいらっしゃるかなと。
「繊細さん」はこの傾向が強くあり、「繊細さん」にとって最大の罠は
「相手の”わからない”という感覚が、わからない」こと。
相手に、自分が当たり前に持つ感覚がどのくらい「ない」のかを、実感を持って認識していないのです。
「繊細さん」がものすごく不快なことを、”ある程度理解している相手”もいれば、
”全く理解していない相手”の場合もあるわけか…。
「繊細さん」からすれば、生まれながらの当たり前の感覚だから、
”相手の理解度”を、わざわざ言葉に出して相手に確かめることもないですよね。
「わからないわけがない」、「わかろうとしてくてないだけだ」。
事実そういう場合もあるのかもしれませんが、文字通り「わからない」ことはある。
その事実を受け止めることで、相手の見え方が大きく変わってくると著者は言われております。
適切な表現とは言えないかもしれませんが、
例えば「霊感がある人の感覚」を理解するのって、正直私はできるとは思いません。
(霊を信じる信じないの話は別として(- -;))
その感覚はやはり「わからない」ことになりますよね。
この”感覚が違う”、”共感を得られない”、”理解できない”こと。
「繊細さん」じゃなくても普段の人間関係で感じることがありませんか?
「上司が何考えてるかわからない!」「普通、こう考えるべきでしょ!」「何でわかってくれないの!」
日々、無理解への憤り、嘆きの声は周囲にあふれてますね…(−_−;)
そんな時、「相手は理解できないんだ!」という事実を受け止めた上で対処すること。
この認識は、「繊細さん」でなくとも非常に大事な感覚ではないでしょうか。
「理解」=「良い人間関係」とは言い切れません。
「理解」が目的ではなく、理解できなくても、互いを思いやり良い人間関係を築くことができる。
これが幸せになる為の目的であり、人間の知恵、想像力の賜物だと思います。
【自分の感覚を伝えよう】人間関係の入れ替わりを起こす
さあ、「繊細さん」が自分の感覚を肯定し、次にすることは「伝える」ことです。
「繊細さん」は他の人よりも良く気づく為、こんな傾向の方が多いようです。
- 相手の気持ちを優先する。
- 頼まれたら断るのが苦手。
- 自分の意見を言うのを遠慮してしまう。
- モノ・人に対して「嫌い」と言えない。
- 「人を嫌う自分がイヤ」と思ってしまう。
私、まぁまぁ当てはまるんですけど(~_~;)
伝えたら、場の雰囲気悪くしたり、相手が不快な思いをするんじゃ。。
著者はこう書かれています。(少し長いですが大事なので、抜粋します)
今まで、 相手の気持ちを優先していた人が、自分の意見を言ったり、嬉しいときも嫌なときも素直に顔に出してみるとどうなるか。
「自分の意見を持っているあなたが好き」「感情豊かなあなたが好き」と自然体のあなたを好きな人がまわりに集まるのです。
まわりの人が合う人なので、そもそも「嫌だな」と思うことにも遭遇しにくくなり、ますます自分らしく自分の意思を表現しながら生きるようになります。
これまで強く自分を押さえ込み、相手を優先してきた人が自分の意見を言い始めると、「人間関係の入れ替わり」が起こります。
自分の感情を顔に出したり、意見を言ったり、ときには友達の誘いを断ったりすることで「誘ったら断らないあなた」「何でも頼み事を聞いてくれるあなた」が好きだった人が離れていく。 「あなたの”殻”が好き」という、本当はあなたに合わない人たちが去るのです。
人が離れることで、一時的に寂しい思いをしするかもしれません。でも、自分が感じていることを素直に顔に出し、やりたいことを大切にして過ごすうちに、必ず「素のあなたが好き」「あなたって素敵ね」という人たちと新しく出会います。
そして、皆が去っていくわけではなく 友人や家族、これまでの人間関係の中でも「そんなふうに思ってたんだ。どうしたいか言ってくれて嬉しい」と、あなたの気持ちや意思を尊重する人、あなたを大切にしてくれる人が残ります。素の自分を出すにつれ、このように人間関係の入れ替わりが起こり、のびのびと自然体でいられる関係が増えていくのです
『「繊細さん」の本』ー武田友紀
と、言ってもすぐに急に人が変わるなんて、なかなかできるものではありません。
慣れないのは当たり前。自分の思いや意思を伝えるのも練習が必要です。
- ちょっとしたことを軽く頼む。(例:お醤油取って)
- はっきり頼まれるまでは動かない。(「繊細さん」は状況を察して半自動的に助けるケースが多い)
- 相手の意見を聞いてみてから、自分の意見を言う。(相手の意見と自分の予想が合っていることを確認する)
- 「嫌い」と言えなければ「苦手」「好みじゃない」と言ってみる。
- 「疲れている」「少し休ませて」と言ってみる。(自分の感覚、願いを”明確に”伝える。相手は「察して」はくれない)
誰か特定の人ばかりが、窮屈な思いをする必要はないんですよね。
勿論、相手や周囲のために配慮や行動することも大事ですが、自分を蔑ろにしてはいけない。
あなたの幸せを願っている人がいることも忘れてはいけませんね。
【自分の「こうしたい」を大切にしよう】私が感じたことが、私にとっての正解
不幸を感じる負の要素の対策だけではなく、幸福の要素を増やすことも大切。
感覚を閉ざすと、嫌なもの、痛いものは感じにくくなりますが、
同時に生きていく上での喜びやときめきも感じづらくなってしまいます。
鋭い感覚は、幸福もより強く感じることができると、先にも述べました。
なので、自分にとっての幸福を感じる人、モノ、環境を意識してどんどん取り入れていきましょう!
ポイントは『毎日の小さな「こうしたい」「本音」から、叶えていく。』
- 嬉しい
- 楽しい
- ほっとする
「散歩したいな」、「休みたいな」、「雰囲気の良い店に行きたいな」、「感動する映画を見たいな」
自分が良いと感じた小さなことからでも、叶えていると、心が満たされることを実感し、
「自分にとっていいこと」を選ぶ感覚がつかめてきます。
日常の嬉しい、楽しい、安心を通して「私はこうしたい」「こんなふうに生きていきたい」という土台ができ、大きな決断もできるようになります。
当たり前のようでも、日々の忙しさに追われてるとつい忘れがち(ーー;)
意識して小さな「こうしたい」を叶える習慣が大事ですね。
自分の感覚を肯定することは、自分の魅力を引き出し、自覚し、自信を持つこと。
”私が感じたことが、私にとっての正解”
「繊細さん」は、自分のままで生きることでどんどん元気になっていく。
小さな夢を叶える日々。素敵な生き方ですよねv(^^)
🔽”夢を叶える”はこちらの記事でも(^^)
【「繊細さん」から学ぶ】幸福感のある生き方
「繊細さん」の生き方のヒントから学ぶべきポイントをまとめました。
- 「感覚の違いを知ろう」:自分の鋭い感覚、”好き嫌い”を知り、肯定することで、何に不幸を感じ、幸福を感じるかを知る。
- 「自分の感覚を伝えよう」:感じたことを伝えて、自分の中に「自分の居場所」を作る。(「人間関係の入れ替わり」を起こし、自然体で生きれる環境へと変えていく)
- 「自分の「こうしたい」を大切にしよう」:あなたが心のままに感じたことが幸福を感じること。意識して生活に取り入れていく。
自分の感覚を肯定し、自分の居場所を作り、共感できる人間関係・環境へと変えていく。
これは「繊細さん」だけでなく、全ての人が幸せに生きていく上で大事なことだと思いませんか。
また”感覚の違い”と上手く付き合っていくことは、「繊細さん」だけの話にとどまらず、
人種、性別、宗教、文化などの壁を乗り越えていく上でも大事な要素ですよね。
こちらの本は、「少しずつ環境を変えていき、幸福感を増していく」という、
全てに通じる価値観を感じることができた、とても素晴らしい内容でした。
著者の武田さんの優しさ、愛情、願いがたくさん詰まってます。
私の信条である「少しずつやりたいことをやる」「少しずつ幸せになっていく」と、
近い考え方の内容だったので、とても共感できました。
心のままに。
自分らしく。
少しずつでも、そう思える人生にしていくって素敵ですよね。
良書との出会いに感謝感謝です。ではまた〜(^^)
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