【ビジネスエリートの教養】『教養としての落語』

教養としての落語

【あなたは「芝浜だけに」の意味がわかりますか?】教養がある人は知っている『落語』を学ぼう

さて、今回は新しいジャンルを読もうと思って、手に取ったこちらの本。

『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』(立川談慶著)

落語は見に行ったこともなく、TVなどでもまともに聞いたこともなかったのですが、

「面白そう」「日本の文化として知っておきたい」との気持ちから

まず基本的なことを学べそうな本をチョイスしました。

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落語の魅力、”にわか”で学んでいきたいと思いますv(^^)

 

なぜかビジネスエリートが身につけている落語の教養

さて、本書では教養としてのポイントを3点挙げてます。

  1. 「人の心をつかむ術」を身につけるツールとしての落語
  2. 「日本の文化・価値観」を知るツールとしての落語
  3. 「人間の変わらない本質」を教えてくれる落語

吉田茂、渋沢栄一、政治家や財界人、起業家が愛してやまない落語。

ビジネスエリートの教養、内容むずかしいんじゃ?

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『落語』のイメージは人それぞれと思いますが、

『人に笑ってもらいたい』との想いが原点。

気構えは全く必要ありませんv(^^)

 

日本の伝統芸能「落語」

まずは『落語』という伝統芸能がどうして生まれたのかの概要から。

落語の始まりは、江戸時代初期(1623年)、徳川家光が第三代将軍に任命された年に

安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)という浄土宗の僧侶が書いた

『醒睡笑(せいすいしょう)』が原点と言われています。

実はこの『醒睡笑』、彼が仏教を広めるべく考えた「説教の題材のネタ」=「笑い話」を集めた作品集なのです。

現代も上演されている「子ほめ」「たらちね」などの演目の元ネタは、

この『醒睡笑』だとわかっています。

安楽庵策伝は「落語の祖」と言われています。

仏教の話を民衆に伝えるために考えられたんだ!

また「元祖落語家」は誰?と言われると、時代は少しさかのぼり、

豊臣秀吉に仕えた、曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)と言い伝えられています。

この人は刀の鞘(さや)を作る腕利きの職人で、刀が「そろり」とよく入った鞘を作ることから

「曽呂利」と呼ばれるようになったそうです。

彼は鞘作りだけでなく、コミュニケーション能力に長けており、

秀吉の御伽衆(おとぎしゅう)、つまり相談や雑談の相手役も務めていました。

話し上手で、とんちの才能があり、人を気持ちよくさせる話や、気の利いた返しをするので、

秀吉に気に入られていたそうです。

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人の心を和ませ、楽しませることが”落語家”の始まりだったんですね。

 

庶民の間で支持されてきた大衆演芸

時は過ぎ、「元禄」時代(1688〜1704年)には、大阪を中心に、

「文化文政」時代(1804〜1830年)は、江戸を中心に、落語は「大衆文化」として

進化を遂げ、広まっていきます。

上方落語:元禄時代。発祥は大阪や京都。元々は大道芸のように野外で演じられていた。

     三味線や太鼓などが鳴り、にぎやか。

     「見台(けんだい)」という小さな机を、高座に置くこともある。

江戸落語:文化文政時代。上方落語が江戸に伝わり、武家の間で「お座敷芸」として発展。

     見台は置かない。現在のような出囃子(でばやし)の音楽等は元々はなかった。

その後、特に上方落語は、近代の戦争時代に入ると、国から厳しく統制され、

寄席(よせ)や落語家は激減し、”伝統芸”は一時、壊滅的な状況に陥ることになります。

それから大阪に寄席ができるまで、約60年もの歳月が必要でした。

大きな流れとしては、順調に発展してきた「江戸落語」、波乱万丈を乗り越えてきた「上方落語」となります。

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それぞれ移り変わりは違いますが、”庶民から愛されてきた”歴史があるからこそ、

日本の「伝統芸能」となっていったのですね。

落語は人間の『失敗図鑑』

では、なぜ庶民に愛されたのか。

「落語は人間の業の肯定だ」ー立川談志(七代目)

『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』(立川談慶著)

平たく言うと「人間とは所詮”どうしようもないもの”なのだ」という意味です。

そんな言葉を裏付けるかのように、落語には”どうしようもない人”ばかりが登場します。

他人をウソでうまく利用したり…

スキあらばタダ酒にありつこうとしたり…

お金もないのに見栄っ張りだったり…

言うなれば「成功していない人」「ダメな人」「イケてない人」…(^^;)

そして落語の筋書きの多くは、失敗談ばかりです。

でも、どんな賢人や、偉大な人物も失敗しない人なんていませんよね。

誰もが近しい経験のある『失敗』。またそれの元となる『人の感情の機微』。

これこそが民衆に共感され、愛される要因の一つではないでしょうか。

時代が変わり、世の中が発展しても、

変わらない人間の本質を教えてくれる『失敗図鑑』が「落語」なのです。

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誰の人生にも失敗話や人情話といった”喜怒哀楽”の『ドラマ』がある。

そんなことを感じさせてくれるのが落語の魅力なのかもしれませんね。

 

ビジネスエリートの教養としての「落語」

前置きが長くなりましたが、本題の教養の話。

「人の心をつかむ術」を身につけるツールとしての落語

日本の敗戦後、政治や経済の復興、また外交ではサンフランシスコ平和条約締結に注力し、

その政治力と葉巻をこよなく愛したことで「和製チャーチル」と呼ばれた吉田茂(よしだしげる)元首相。

執務中、ほとんど席に着かず、室内を歩き回るのが常だったGHQのマッカーサーに対し、愛嬌を込めてこう声をかけたそうです。

「まるで檻の中のライオンだな」

1916年(大正5年)寺内正毅(てらうちまさたけ)内閣発足時、「総理大臣の秘書官をやらんか」と声をかけられた際、

「総理大臣なら務まるかもしれませんが、秘書官はとても務まりそうにありません」

一見、不遜な吉田氏ですが、彼の言葉は、温かな人情味を秘めていて、周りの人間を魅了し続けたそうです。

人の心をつかむ才能にあふれた彼が葉巻とともに愛してやまなかったのが「落語」でした。

その他にも、「日本の資本主義の父」と称される渋沢栄一(しぶさわえいいち)も日常的に落語を聞いていました。

また池上彰氏からも「今の自民党にあれだけのスピーチができる人はいないだろう」と

演説力を高く評価されている小泉進次郎氏も「落語は演説の勉強になる」と公言しています。

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人を惹きつける『話術』がいっぱい詰まった落語!

落語が彼らの”人間力”に影響を与えていたんですね!

 

落顔は人の上に立つものにとって必要不可欠な、人の心をつかむ術を身につけるツールとなっているのです。

「日本の文化・価値観」の素晴らしさを知ることができる落語

では、2つ目d(^^)

「日本の文化・価値観」を知るツールとしての落語

こちらは、庶民の話という点でも触れた通り、落語が生まれた江戸時代の文化、風習を知ることができます。

そこには現代の我々にも繋がる「”日本人”たる哲学」があります。

「俺は、落語は人を殺さねぇから好きだ。」ー立川談志(七代目)

『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』(立川談慶著)

落語の世界には、「人殺し」も、また「いじめ」を描いた話もありません。

「お天道様に顔向けできない」

「罪を憎んで人を憎まず」

「情けは人の為ならず」

「お互い様」

「持ちつ持たれつ」

そんな言葉から感じるのは、日本人の美徳である「和を重んじる心」ではないでしょうか。

日本の文化は世界に大変人気があります。

なのに、当の日本人がその誇るべき文化や価値観の素晴らしさを知らないのも勿体ないですよね。

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落語を聞くと、また改めて『日本人の良さ』を知ることができますね。

 

ゼロ成長時代も、活き活きと生きる知恵が詰まった落語

3つ目ですd(^^)

「人間の変わらない本質」を教えてくれる落語

落語は当時、庶民に一番近い娯楽でした。

教科書に出てくる歴史上の偉人や事件より、わかりやすくて、エキサイティングなものだったのです。

一番近い娯楽…今ならTVやネット動画、ゲームやマンガといったところかな?

「落語の笑い」とは「日本人が英知をかけて積み上げてきた、国民共通の笑い」です。

落語を聞き、人々は笑いながら、

「ああ、こういうことをすると人は失敗するんだな」

「なるほど、そんなうまい物言いだと怒られないんだな」

という処世術、人や社会との”つきあい方”、”マナー”を身につけてきたのです。

また当時の江戸というのは、世界最大の人口を有した町であったにも関わらず、

”ゼロ成長”であったそうです。

日本という国は、現代にも似た「ゼロもしくは低成長」をすでに江戸時代に経験していたのです。

落語の世界は、そんな世の中を「楽しく生きる知恵」がいっぱい詰まってます。

そこに生きている人々は、決して不真面目というわけではありませんが、息が詰まるような真面目さの中にもいません。

互いに小さな迷惑を「シェア」し合いながら、皆がやんわりと幸せに生きています。

『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』(立川談慶著)

落語は、”人情”、”人との付き合い方”、いつの時代も変わらない人としての本質を教えてくれます。

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現代にも通ずる「世知辛い」世の中を上手く生きる”コツ”を

楽しみながら、学ぶことができるんですね。

 

まとめ 〜まずは純粋に楽しむことから〜

日本の伝統芸能、教養としての『落語』、知らなきゃ損ですv(^^)

  1. 「人の心をつかむ術」を身につけるツールとしての落語
  2. 「日本の文化・価値観」を知るツールとしての落語
  3. 「人間の変わらない本質」を教えてくれる落語

だからと言って「教養をつけるぞ!」なんて気持ちではなく、

まずは純粋に楽しむことから、落語の世界を知っていけば良いと思います。

「政治の世界はストレスも多いが、心がささくれ立っている時も落語をきいていると、

世の中の何でも許してしまえる。」ー小泉進次郎

『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』(立川談慶著)

心をリセットしてくれる安心感とでも言えましょうか。

私も”にわか”なので、気軽に楽しんでいきましょうv(^ ^)

⬇️他にもオチの種類や、登場人物の面白さなど、落語を楽しむ要素が満載ですv(^^)

  

さて、表題に書いた「芝浜だけに」。意地悪かも知れませんが、ここでは敢えて言いません。

是非、こちらの落語を聞いてみて教養としていただければと。(音源のみの内容です)

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最近、私はジョギングしながら落語聞き流し( ^ω^ )

笑いながら走ってます(^_^;)

良書との出会いに感謝。ではまた〜v(^^)

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